【失声症日記〜初めての心療内科〜】
- 2024年12月7日
- 読了時間: 11分
更新日:2024年12月9日
※長いです。誤字脱字とかご勘弁。
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突然ですが、最近ず〜〜と永遠に画像の加工をしていて胸元から喉元にかけての異物感が破裂・発狂しそうな感覚に(実際はなりません)襲われて、少し泣きそうになるので、失声症(今回はこう呼ぶことにします)で色々できなくなってから1年半と過ぎた年末のこのタイミングで、とても長くなりそうですが作文をしようと思います。
またこれから色んな病症名がでてきますが、ややこしいことにそれらは殆ど自分の病ではありません。病状がそれに近い感じ・・・って話です。
あと最後まで読めた方はなかなかすごいかもしれません。西洋医学と東洋医学が混在するので、その辺も分かりづらいです。
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①
喉元に異物感(梅核気とかヒステリー球とか言います。「咽喉頭異常感症」という名称があります。最初は「空気嚥下症」といって上手に嚥下ができていないという症状だと思っていました。)と発声への違和感および逆流性食道炎を併発したのは6年前です。
その時の症状は最近調べてみつけた「内転型痙攣性発声障害」と呼ばれる症例に近いもので、喉元が閉まって上手に声を出せないといった感覚でした。この頃は騙し騙し声を張って歌っておりましたが結果的には徐々に悪化し、一時まるで発声ができなくなりました(このタイミングで一度楽器屋を辞めています。そしてその後出戻りするのですが・・・)。
ちなみにこの時期歌い手の先輩や友人だとかに「呼吸法・発声法ができてないから云々」を言われており「そういう事じゃなくて・・・声を出そうそすると」って言っても伝わらないもどかしさでいっぱいでしたね。
このような症状は大抵「心因性」とされています。なので自律神経の副交感神経・腹側迷走神経を優位な状態にすることが大事だと言われます。皆さんも同じ症状になったらこんなことを言われるはずです(実際大事です)。とはいえ声が出ないわけですから耳鼻咽喉科で声帯を見てもらいました。無論異常はなしということでした。さらに胃カメラもやりました。
胃カメラでは軽度の「食道裂孔ヘルニア」と診断されました。やっと症状がわかった!・・・と一瞬喜んではおりましたが、これも空振りに終わります。というのは四谷にある裂孔ヘルニア手術(胃への入口を狭める)に特化した病院で門前払いを受けたのでした。私は食事をすれば胃酸を逆流してしまう・・・と何度も説明しましたが、裂孔ヘルニア手術ができる、必要な状態じゃないからまず「千葉大学(だったかな?)の病院でカテーテル検査ができるからそれをやってきて逆流を証明してください」と言われました。
というわけでカテーテル検査を受ける運びになるのですが、私、胃カメラとか声帯スコープとかが超苦手でとても嫌で、、またここに至るまでに「転職で正社員になったはいいけど上手くいかなかった(声出ないからコミュニケーションとれなくて・・・)」とか、他にも酷く自信を無くす出来事ばかりが続いており、精神的にもう耐えられなくなっていて、検査をキャンセルしたのでした。
そこで次に対処法に選んだのは鍼灸治療でした。
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②
御紹介で伺った個人経営の鍼灸治療院はとても丁寧で、少しづつ改善が見られました。言われたことは「胃の縮小」「内臓の硬直」「血行が悪い」などまとめて言えば「不健康」だということでした。ここで出てくる「縮小」とか「硬直」といった言葉は西洋医学的な機関では絶対ない類のもので、物理的に固くなっているとかそういうことではありません。血流が滞ることで酸素の供給が上手く行っておらず健康的に機能していないとか、そういう話です。
数年通うことで、逆流性食道炎は改善し今はほとんど見られません。発声も少しづつ良くなり辛くはあるけど「歌にはなる」というわけで歌い続けていました(いつも吐かないか心配でした)。ただ何となく「歌」と「地声」の切り替えができなくてトークができなくなりました。トークしようとすると声が出なくなりました。なのでスタイルを変更し只管直向きに歌うスタイルに変更して行きました。そのうち音楽のスタンスが固まってきて、化粧して、衣装着て、名前を変えて、音作りに凝ってなどを始めて2018年の失声症発症から4年(2022年)に“空間系フォーク”のスタイルが確立しました。
ここいらで生活の何かを変えたいと思って長年お世話になった楽器屋を辞め、日光東照宮で美術展を主催したりする会社で美術誌の編集役の仕事を始めました。そこで自分は気に入られていてベトナムとか連れていかれるのですが、、ここがここで異常な会社であり、自分に影響はなかったですが兎に角ブラックの極み。。このお話もなかなか面白い話なのですが逸れるのでよしておきます。兎角1年そこそこで辞めるのでした。
この会社で働いている時期に何度かワンマンをやろうとするのですが、緊急事態宣言で延期にさせていただいたり、自分がコロナにかかったりしてできず、APIAでワンマンをやろうとしたら改めて別症状の失声症になってしまいました。
現在の症状は冒頭の「内転型」とは別の「外転型痙攣性発声障害」という症例に近いもので、声を出そうとすると声にならず、結果空気だけ抜け落ちてゆく感じ。肺の空気がなくなり苦しくなり、無理やり息を絞り出すことでやっと音が出せます。「は行」はとくに苦手です。この病状の名称は最近知ったものなのですが、それについては後述するとして一度ここまでの症状をまとめます。
・咽喉頭異常感症:継続中
・逆流性食道炎:改善
・失声症(外転型痙攣性発声障害、的):継続中
しかし、近隣の耳鼻科で声帯をスコープをしましたがやはり異常なしでした。
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③
さてブラック企業を脱出し2023年9月より別の仕事をはじめます。音楽活動もせず禁酒してぼ〜と過ごしていたのですが、改善の兆しがないので「品川ボイスクリニック耳鼻咽喉科」という場所に検査を依頼しました。結果は、
・発声には確かに数値的に見て異常がある。空気の漏れや音量が、
発声する言葉に対して正常じゃない。
・声帯の動きに異常はないが、声帯の手前の筋肉がギュッとしまって声帯部分を
隠してしまったり、反対にガバっと開いたりする傾向が見られる。
・上咽頭炎(鼻の奥の炎症)があり、これが発声や自律神経に影響することがある。
〜少しハッとしたのは、ずっと「声が細い」とか「もっとふくよかに」とか「息を使って」とか「歌いまくって一度潰すんだ!」言われていたので、喉を開く!とか息を使って!とか水飲まない!とかすごく意識していました。。寧ろ開きすぎて戻せなくなったのかもしれませんね(あくまでも憶測です)。〜
それはそうとここから半年間の“Bスポット治療”なる日本特有の苦しい治療と音声外来による軽い発声練習が始まりました。Bスポット治療は鼻の奥に直接薬を塗り込むというものです。ただでさえこういうのが苦手です。。本当に地獄のような気持ちで通っていました。
そして並行してそれまで続けていた鍼灸治療と離れて、登戸にあるアトピーを専門とした整体院さんに通うことにしました。きっかけは鍼灸で判明していた緊張し体が硬直しやすい性格などの起因として、昔からの軽度のアトピー肌、アレルギー症状は、失声の影響の元にあるものと一緒なのではないかという発想でした。
声帯の異常などの病気がない限り、失声の原因は「神経」です。そして神経伝達に異常が出るのは体の使い方が正しくないから、と言えます。なのでその要因を全て並行して改善しなくてならないと考えたのです。
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④
この整体師はすごいです。整体、鍼灸、美容系、なんでもやります。そして兎に角身体に詳しいし改善策が的確。私の場合は首肩周りの凝り、姿勢、横隔膜の強張り、血流の鬱血による酸素供給の滞り、結果、神経の伝達や肺の柔軟性に影響を与え呼吸が上手くいっていない(他)などを指摘され、日頃自分でできるストレッチなどのレクチャーもしてもらっています。
1ヶ月に1〜2回通い、3ヶ月程度で発声に改善が見られ、まだまだ騒がしい場所での会話や歌は上手くいきませんが、日常での会話は少し楽になりました。
「病は気から」といいますが、まさにその通りですね。昔からマイナス思考で自分なんて大嫌いだし、それでも何かを掴もうと必死にプレッシャーがかかる場面でも飛び込んで来たつもりです。いや正確にいうと皆んながそうやって頑張っているのに何もできていない自分へのコンプレックスが強くて「ストレスなしに何ができるんだ!」と思っていて、日頃あらゆる場面で自分を追い詰めてきました。なのに煮詰まりやすい性格なのです。
これまた少し話が逸れますが「気」といえば、スピリチュアルな方々にも幾度か相談をしています(お祓い受けたこともあります、笑)。よく言われるのは「チャクラ」という言葉です。気管支から喉元にかけてチャクラが滞っているそうです。
自分には見えない世界ですが、とても理解はしています。分かんないけど、何かそういうのってありますよ絶対。何でも繋がっています、きっと。
そんな方々の一人には「あなたは空気を食事するような人間だから、自然が豊富なところがいい。人の気とかも食べちゃうから」・・・そう言われてみますとブラック企業時期に失声しているのにも頷ける気がします。
お祓いは・・・意味なかったかなぁ。。
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⑤
耳鼻科での治療の話に戻りますが、半年間の治療により上咽頭炎は改善し改めて行った音声検査でも「異常なし」と判断されました(されてしまいました)。つまり、音声治療が終了してしまったわけです。さぁ、追い詰められました。
そこでまた発声障害について調べていたところ「新宿ボイスクリニック」のHPに「内転型痙攣性発声障害」と「外転型痙攣性発声障害」の二つの文字を見つけ、現在の症状が「外転型」に極めて近いことに気がつきました。
そしてこれはボトックス注射により症状を軽減できるというのです。心が揺らいでいます。。もしかしたらこれで良くなるのでは、、と。。
でも痙攣性発声障害は声帯筋(甲状披裂筋)の動きに異常がある病気です。私の場合、品川で判断されたところによれば、異常があるのはこの手前の筋肉であり声帯筋ではないのです。さらに声帯筋に直接注射を打つなど恐怖です。
そして考えたのです、
ボトックス注射というのは筋肉の動きを一度無にする作用を持ちます。つまり緩やかにするために一度0にしちゃおうぜってことです(股割き理論)。私の持っている緊張しやすい症状を改善することとは合致している気もするけど、前述の通り部位が違う話だし、恐ろしい。ここに相談するのもいいけどもまず行くべきところがあるのではないか。
それは「心療内科」だと思ったのです。
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⑥
今年の夏に人生で初めて水虫になりました。その時に仕事帰りに寄れる場所で水虫の薬を貰おうと思ったのです。そこで適当にウェブ予約をしましたら、その病院から電話がかかってきました。
「私専門が精神科医でして専門的には見れませんけどいいですか?」っていう電話でした。
薬もらいたいだけだったので「大丈夫です」と答えて初めて先生に会った時、勿論お話をするので先生に声についてを聞かれました。そこでいくつか話をさせていただいた経緯があり今回ここに訪れることにしました。日付跨いで昨日のことです。
耳鼻科での治療が終わったこと、身体の緊張を改善することで声が出やすくなってきていること、ボトックス注射の件、など相談させていただきました。
ボトックス注射に関してはやはり怖いものですから慎重になったほうがいいと言われました。
そして先生は「2週間で決着つけましょう!」とかいって緊張を和らげる薬(肩こりとかに使われるそうです)などを処方してくださいました。はて・・2週間で決着とまではいかない気がするけど。。行ってよかったと思います。
精神科・心療内科、は自分なんかはそれほどでも・・・と思いがちかもしれません。私は特にそうです。でもそういう人だからこそ行ってみる価値はあるかもしれません。先生方も沢山の心の傷に触れている方々なので、優しいし、上手に話聞いてくれると思いますよ(?)。
帰宅後薬を飲み爆睡しました。休日が終わっていました。
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⑦
まとめに入りましょう。
最近やっとここまで来た感じがあります。緊張しいだったり、マイナス思考だったり、自分嫌いだったり、そういうところだよな・・と。結局は気の持ちようなんです。でもそれを生活の中でコントロールするのは極めて困難です。
加えて筋肉の緊張を和らげる薬など処方いただき、西洋医学的処置と東洋医学的処置が実践的な形式で結びついた感じがあり、安堵しています。
心療内科はずっと避けてきたのです。それも自分の悪い癖かもしれません。意固地で「精神的な負けを認めたらいけないんだ!」って思ってきました。そうじゃなきゃステージに立ってられなかったし、楽器も売ってられなかったし、、。難しいですね、ずっと楽しんできけどずっと苦しんでもきた。随分「楽」に生きてるつもりだけどそれが反対にコンプレックスでもあり、飄々としてるつもりだけど実はとても怖かった。
正直、どれが、どの部分が一番良い自分なのか未だに分かりません。でも歌っていたいということだけは間違いないのです。だからまだまだ戦います。でもこれからは心の底から笑いながら戦おうと思います。
写真:秋晴れの池上本門寺

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