[詩]雨の日雨の日 彼女の言葉は品やかで 雨の日 私は知らない強かさを知った 二人の強さには 品があり 二人の強さに 生はない そう思う自らの幼さを、 どこかで切望してしまう —あってたまるものか!— と、 好き、とは? と。 雨の日 彼女はおおらかに微笑んでいて...
[詩] 白昼夢最近見た夢は すぐそこにあって、ここにない 遠い遠い世界の話 はるか先の思考の末端 一つの答えと一つの終わり 最近見た夢は 紫外線に乗っかって、目の前に咲(ひら)く 遠い遠い光の寓話 遥か古代の人間の心 宇宙の真理と神の方便 今、全てが白くなる...
穀物君には遥かな 空を与えよう 君には遠い 海を与えよう To,, To,, To,To,, 空の先まで To,, To,, To, To,To,To,To, 海の底まで 君には雄大な 大地を授けよう 君には壮大な 夢を託そう To,, To,, To,To,, 声の先には...
[詩] 一枚一枚の絵をかきたい それは平和な人々の 一枚の絵をかきたい それは温和な歌々のような 晦渋な言葉はいらない 黯然なこころを知らない 一枚の絵 妖艶な響きもいらない しっ、 混沌とした空気もいらない 一枚の絵 一枚でいい 一枚で構わない 一番の一枚、 一枚の紙が...
[詩] 半月(はんげつ)空の半月と その左っ側のほど良く小さな桜の枝々との 最もバランスのとれた立ち位置を探し、 左右しながら、 一層夜らしく灯った街々に気づくこともなく 私は老いてゆくのでしょうか。 川を斜めに架かる鉄橋がゆれ 電車が来ては、帰ってゆく そんな繰り返しのなかにすら溶け込めぬまま。...
[詩] 気配気配の中に あなたはいる あなたの気配ではない 気配の中に、あなたはいる 鬱屈とした気合の中にあなたは潜む 倦怠した身体の中をあなたは泳ぐ 気配とは、視覚をもって 気配とは、臭いをもって 気配とは、聴覚をもって、 「気配」とは、、 空気の中に わたしはいる...
マイニチ思考取り留めなく流れる 人の川に溺れて 理由(わけ)も分からずに、なにか生きている クロールまがいの動きで 溺れながらもがいて 安息の地をゆっくり離れてく 毎日辞めたい 毎日シンドイよ 毎晩泣きたい それでも歌っている 怠慢な同人達 集まっては喚(わめ)いて...
[詩] 曲線あの曲が生まれた場所には 大きな岩塩が佇んで、 耐えない水滴を浴びている 鋭く尖った身体(からだ)の先端(さき)から 滴るしずくを地面に落とさず 掬いあげることができたとき、 あの曲は生まれたのです。 なんとも辛く、 なんとも優雅で、 とても甘美な、その曲線...
いのちの声行方知れずの 昔の絵本に たぶん、描いて在る 声を探す 「君は何処(いづこ)?」いつもそれは 僕の愛と倦怠の中に疼く 涙なしには 絵画けない風景を 神の存在 なしに語れない 奇跡を 君に送る 文字に起こして 君に送る 天使に預けて だんだんと君は 淡々と暮れる日の光を...