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夢売り

※(『夢売り』金子みすゞ)


 年のはじめに

 夢売りは、

 よい初夢を

 売りにくる。


 たからの船に

 山のよう、

 よい初夢を

 積んでくる。


 そしてやさしい

 夢売りは、

 夢の買えない

 うら町の、


 さびしい子等の

 ところへも、

 だまって夢をおいてゆく。


(※1)

 年のはじめに

 夢売りは、

 よい初夢を

 売りにくる。




※1. 原詩にリフレインはなし



 
 
 

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