top of page

[詩] 半月(はんげつ)

  • 2022年3月13日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年3月14日

空の半月と

その左っ側のほど良く小さな桜の枝々との

最もバランスのとれた立ち位置を探し、

左右しながら、

一層夜らしく灯った街々に気づくこともなく


私は老いてゆくのでしょうか。


川を斜めに架かる鉄橋がゆれ

電車が来ては、帰ってゆく

そんな繰り返しのなかにすら溶け込めぬまま。


飲み干した缶を蹴り飛ばし、

もう1本と思いながら、

思いの外動かない身体、

これを前後前後とさせながら。


覚束なく嗤い

たどたどしく佇み

背筋の曲がった蟾蜍(ヒキガエル)のように


ジトジト、ジトジト、ジトジト、ジトジト

ジトジト、ジトジト、ジトジト、ジトジト


目の前のフィルム写真を懐かしむべもなく

滲みでる酸液の臭いに嘔吐しかけては、

心臓は呼吸のたびにギシギシと音をたてている


私は死にゆくのでしょうか。


ウィスキー色した右心房と、

飲み干された左心房とが、

相対するわけでなく共存する不可思議。


純粋と不純、その見境がこの上なくもの哀しくもしかし、

明媚な風(ふう)にも捉えられる、

そんな「今」上弦の刻


私は何と称される者であるのか。

このまま、老いてゆくのか。

いや、むしろこのままで存るのか。


 − それは幸せとも思え、不幸せとも思えます。


空の半月と

その左っ側のほど良く小さな桜の枝々は、

ただ、そこにあるだけであり、

何を伝えようもしてはいないのです。




2022.3.13

※歌なし、詩。

 
 
 

最新記事

すべて表示
わたしの ハイ・ロマンス

ああ 今日がどこまでも  勝手気ままでいて  どこか飛んで行く    まあ そんな日だってある  誰にもきっとあるよ  僕は一人     そっと ゆっくり 顔を上げ   青空の下に生きているってこと   改めて 今 思い出し   そっと 絵を描く    ああ ここはそういえば  そもそもどこであるんだ?  なんてふと思う    もう 夕暮れもすぎて  みんな帰りを急ぐ  僕は一人     一人一人

 
 
 
作風

風邪をひいて 誰もいなくなる  声を枯らし 誰か探してる    おっほっほ、いつまでも  結局はこんな風で…  あはは、何にせよ  歌を作っているでしょう    風が吹いて 作りたくなくならないで  夜も枯れて やっと出来上がる  おっとっと、遠くまで...

 
 
 
浮かぶ

青ツユかがやく あのコの町  空から見てるよ あなたのこと  ガラスに映った 自分を見つめて  ベルボトム・ジーンズ はみ出した踵  ハネる  あなたを見つめて あのコは浮かぶ

 
 
 

コメント


bottom of page