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神様 あなたに会いたくなった(原詩:八木重吉)

更新日:2021年3月21日

 夢の中の自分の顔と言うものを始めて見た

 発熱がいく日もつづいた夜


 私はキリストを念じてねむった

 一つの顔があらわれた


 それはもちろん

 現在(の)私の顔でもなく

 幼い時の自分の顔でもなく

 いつも心にえがいていている

 最も気高い天使の顔でもなかった


 それよりももっとすぐれた顔であった

 その顔が自分の顔であるということはおのずから

  分かった

 顔のまわりは(暗黒な)金色をおびた暗黒であった


 翌朝眼がさめたとき

 別段熱は下がっていなかった

 しかし不思議に私の心は平らかだった


  「神様 あなたに会いたくなった」

  ナーニ〈なあーに〉 死ぬものかと

  児の髪の毛をなぜってやった

  「神様 あなたに会いたくなった」


 いと あやしきは 物の 末なり

 陽中(ひなか)にたつ 梢は 薫風のごとし


 漫画(カリカチュア)がどこにあろうぞ

 もしも 今 この今


 エリアの火が 焔焔と降るならば

 おそらくはもっとも恐ろしい焔が 教会に集うておる

 お召の淑女と ぞろりとした紳士の頭上に下るだろう


 おそらくは「神学博士」なぞのある現世こそ

 世の終わりかもしれないぞ


 「神様 あなたに会いたくなった」

  かなしみと わたしと 足をからませて たどたどとゆく

 「神様 あなたに会いたくなった」

  雪がふっているとき 木の根元をみたら

  面白い小人が ふざけているような気がする

  

  Keats, magic.

  Blake, mystic.

  Poe,melancholy.

  Verlaine, is twilight.

  Wordsworth is solitary.

  Tennyson is sincere.

  Whitman,overwhelming.

  Burns, the man.

  Rossetti, the Romantist.

Shelley, the idealist,Passionate.

Baudelaire, evil flower.

Stevenson, a child.

  Milton, grand.

Shakespeare, a life.


 「神様 あなたに会いたくなった」

 「神様 あなたに会いたくなった」

 
 
 

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