top of page

神様 あなたに会いたくなった(原詩:八木重吉)

 夢の中の自分の顔と言うものを始めて見た

 発熱がいく日もつづいた夜


 私はキリストを念じてねむった

 一つの顔があらわれた


 それはもちろん

 現在(の)私の顔でもなく

 幼い時の自分の顔でもなく

 いつも心にえがいていている

 最も気高い天使の顔でもなかった


 それよりももっとすぐれた顔であった

 その顔が自分の顔であるということはおのずから

  分かった

 顔のまわりは(暗黒な)金色をおびた暗黒であった


 翌朝眼がさめたとき

 別段熱は下がっていなかった

 しかし不思議に私の心は平らかだった


  「神様 あなたに会いたくなった」

  ナーニ〈なあーに〉 死ぬものかと

  児の髪の毛をなぜってやった

  「神様 あなたに会いたくなった」


 いと あやしきは 物の 末なり

 陽中(ひなか)にたつ 梢は 薫風のごとし


 漫画(カリカチュア)がどこにあろうぞ

 もしも 今 この今


 エリアの火が 焔焔と降るならば

 おそらくはもっとも恐ろしい焔が 教会に集うておる

 お召の淑女と ぞろりとした紳士の頭上に下るだろう


 おそらくは「神学博士」なぞのある現世こそ

 世の終わりかもしれないぞ


 「神様 あなたに会いたくなった」

  かなしみと わたしと 足をからませて たどたどとゆく

 「神様 あなたに会いたくなった」

  雪がふっているとき 木の根元をみたら

  面白い小人が ふざけているような気がする

  

  Keats, magic.

  Blake, mystic.

  Poe,melancholy.

  Verlaine, is twilight.

  Wordsworth is solitary.

  Tennyson is sincere.

  Whitman,overwhelming.

  Burns, the man.

  Rossetti, the Romantist.

Shelley, the idealist,Passionate.

Baudelaire, evil flower.

Stevenson, a child.

  Milton, grand.

Shakespeare, a life.


 「神様 あなたに会いたくなった」

 「神様 あなたに会いたくなった」

最新記事

すべて表示

ロ〜トリ

世間に慣れない 果ての成れ  気付けば いない人  乾いた肌の 裏を巡る  ムカシは 知らんふり  あの時出会った 君の顔  月より遠くへ  心の底から 疲れ…はて?  何しに来たっけね   変わりなく続く   音もなく過ぎる   傾いた 日の光 覗き込む...

存在・証明

なんで哭(な)いてんだ 夢みたいな日に 誰かしらの歌みたいだって思う 君は知ったんだ 重なるごとに 割と本気だったんだって気づく 今日を損して 明日も損する そんな冷酷無情な輪廻が いつも絡んで いつも絡んで くる 君はそこで歌う火を覚えて 君はそこで歌に怯えた...

ツキのヨ

あなたに会えて しまう 慵(ものうい)街が 沈む 曙光(しょこう)の中に 浮かび 夢の扉を 開ける ヂャズの流れる 喫茶店 まるで、空っぽの映画…感 円く広がる ヒカリ ここが「ツキ」だと 気付く 浮かぶ軀に 実(み)を委ねて また漂って また暮れるのかい…?...

Comentários


bottom of page