夏やさしい風が吹く 多摩川の下流
斜め下にまたやさしい 母親の笑顔
目の前を転げ廻る 赤いゴムボール
ピョコピョコと足を鳴らし 駆けるお嬢さん
何もないし何もできないし 何もかもが川に流されてゆくような
三途の川渡る前のような
日曜日午後は3時 流れ行き消える
この時間が この日々がとても愛おしい
甘い缶コーヒーに口付けて 「そろそろ行こう」なんて独り言吐いて
さてと何処へ行くのやらね
思うことは特に何もないけど
青々茂る光景に あなたと、あたなや、あなたがね
笑いかける そんな普通な現在を
拳いっぱい握りしめ 持ち帰ろう
泣き虫だった君も 君も 強くたくましく
ただここで 腰をかける 僕は情けない
苦いタバコに火を付けて 「もうちょい居よう」なんて一息をついて
さてといつまでいるのやら
最近、幸い特に不便もないけど
青々広いこの空に あなたと、あなたや、あなたのね
笑い おこり たまに泣いてる声が
届く世界であったらな あの世でも
思う処はそりゃあ色々あるけど
青々茂る光景に あなたと、あなたと、あなたとね
僕が居れる そんな普通な現在を
胸にいっぱい溜め込んで 持ち帰ろう
滲む涙に浮かばせて 流さない
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