あ、また飛んで行った
しばしお別れご苦労さん
季節が来たらまた来なよ
街のはずれに夜が来る
陽射しの赤い絨毯
緑の木々を侍らせて
「暗くなるから帰りな」と
その秋蜩の声がする
いつもいつでも そこに居れたら
笑って鳴けてたら それで良く
そんなことが 遥か昔の事のようで
ナカナカナカナ 泣けてくる
あ、また飛んで行った
もぬけの殻のアブラゼミ
命とは儚きものよ
時の止まった道しるべ
いつもいつでも ここに居るだけ
眠り起きたなら 鳴き止んで
しかしながら 遥か先まで続きそうで
ナカナカナカナ ナカナカナカナ
良くも悪くも その日暮らしが
その日の暮らしに 花を添え
涼しい風が吹いたら 耳を傾けよう
その秋蜩の声がある方
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