top of page

その秋蜩(ヒグラシ)

更新日:2019年7月19日

 あ、また飛んで行った

 しばしお別れご苦労さん

 季節が来たらまた来なよ

 街のはずれに夜が来る


 陽射しの赤い絨毯

 緑の木々を侍らせて

 「暗くなるから帰りな」と

 その秋蜩の声がする


 いつもいつでも そこに居れたら

 笑って鳴けてたら それで良く

 そんなことが 遥か昔の事のようで

 ナカナカナカナ 泣けてくる


 あ、また飛んで行った

 もぬけの殻のアブラゼミ

 命とは儚きものよ

 時の止まった道しるべ


 いつもいつでも ここに居るだけ

 眠り起きたなら 鳴き止んで

 しかしながら 遥か先まで続きそうで

 ナカナカナカナ ナカナカナカナ


 良くも悪くも その日暮らしが

 その日の暮らしに 花を添え

 涼しい風が吹いたら 耳を傾けよう

 その秋蜩の声がある方

 
 
 

最新記事

すべて表示
作風

風邪をひいて 誰もいなくなる  声を枯らし 誰か探してる    おっほっほ、いつまでも  結局はこんな風で…  あはは、何にせよ  歌を作っているでしょう    風が吹いて 作りたくなくならないで  夜も枯れて やっと出来上がる  おっとっと、遠くまで...

 
 
 
浮かぶ

青ツユかがやく あのコの町  空から見てるよ あなたのこと  ガラスに映った 自分を見つめて  ベルボトム・ジーンズ はみ出した踵  ハネる  あなたを見つめて あのコは浮かぶ

 
 
 
引かれ者の小唄

蟷螂(とうろう)の斧を振り翳して  真っ二つ その断面に見えるのは  はるか昔のことで 何故か  何故か かなしい   何故かといえば何故か 何故だ  強がりは 決して悪くないけど  ボロボロの服は 見窄らしい  割れた意見の隙間 またか  まただ まただ またかよ ...

 
 
 

コメント


bottom of page