行方知れずの 昔の絵本に
たぶん、描いて在る 声を探す
「君は何処(いづこ)?」いつもそれは
僕の愛と倦怠の中に疼く
涙なしには 絵画けない風景を
神の存在 なしに語れない 奇跡を
君に送る 文字に起こして
君に送る 天使に預けて
だんだんと君は 淡々と暮れる日の光を
感じながら、感じあいながら 歳(とし)をとり
やうやうと白く 一掃に深く刻まれた
シワの数を超えて、階段を登った
※「ゆふがた、空の下で、身一点に感じられれば、
万事に於いて文句はないのだ。」
嘗ての愛も 嘗ての夢も 奮励(ふんれい)も怠惰も
今、空の下 "いのちの声" となる
※中原中也「いのちの声」より
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