top of page

いのちの声


行方知れずの 昔の絵本に

たぶん、描いて在る 声を探す


「君は何処(いづこ)?」いつもそれは

僕の愛と倦怠の中に疼く


涙なしには 絵画けない風景を

神の存在 なしに語れない 奇跡を


君に送る 文字に起こして

君に送る 天使に預けて


 だんだんと君は 淡々と暮れる日の光を

 感じながら、感じあいながら 歳(とし)をとり

 やうやうと白く 一掃に深く刻まれた

 シワの数を超えて、階段を登った


※「ゆふがた、空の下で、身一点に感じられれば、

万事に於いて文句はないのだ。」


 嘗ての愛も 嘗ての夢も 奮励(ふんれい)も怠惰も

 今、空の下 "いのちの声" となる


 


※中原中也「いのちの声」より

最新記事

すべて表示

ロ〜トリ

世間に慣れない 果ての成れ  気付けば いない人  乾いた肌の 裏を巡る  ムカシは 知らんふり  あの時出会った 君の顔  月より遠くへ  心の底から 疲れ…はて?  何しに来たっけね   変わりなく続く   音もなく過ぎる   傾いた 日の光 覗き込む...

存在・証明

なんで哭(な)いてんだ 夢みたいな日に 誰かしらの歌みたいだって思う 君は知ったんだ 重なるごとに 割と本気だったんだって気づく 今日を損して 明日も損する そんな冷酷無情な輪廻が いつも絡んで いつも絡んで くる 君はそこで歌う火を覚えて 君はそこで歌に怯えた...

ツキのヨ

あなたに会えて しまう 慵(ものうい)街が 沈む 曙光(しょこう)の中に 浮かび 夢の扉を 開ける ヂャズの流れる 喫茶店 まるで、空っぽの映画…感 円く広がる ヒカリ ここが「ツキ」だと 気付く 浮かぶ軀に 実(み)を委ねて また漂って また暮れるのかい…?...

Comments


bottom of page