top of page

部屋の中

 息も切れ欠けの 身体の奥から

 沸き上がる声に 耳を背けたい


 他所を見れば 楽しそうなヒト


 あの街を出てくと決めた時

 どんなでも こんなでも 泣かないさ、と決めてたさ

 この街の彩りに染まれずに

 部屋の中 部屋の中 部屋の中


 春は年を取る 夏は電気代

 秋を寝過ごして 冬はただ寒い


 隣の部屋 素敵そうな声


 探しても 見つからないのなら

 辞めようか 辞めましょう 「来年は」の繰り返し

 寂しさを乗り越えたいくせに

 部屋の中 部屋の中 で縮こまる


 あの街を出てくと決めた時

 こんな時 正に「今」 負けないさ、と誓ったさ

 この部屋の彩りも綺麗だよ

 すりガラス その先の 信号機は 何の色


 この部屋を 出てくと決める時

 この歌は 何処にある 何処にいる

最新記事

すべて表示

ロ〜トリ

世間に慣れない 果ての成れ  気付けば いない人  乾いた肌の 裏を巡る  ムカシは 知らんふり  あの時出会った 君の顔  月より遠くへ  心の底から 疲れ…はて?  何しに来たっけね   変わりなく続く   音もなく過ぎる   傾いた 日の光 覗き込む...

存在・証明

なんで哭(な)いてんだ 夢みたいな日に 誰かしらの歌みたいだって思う 君は知ったんだ 重なるごとに 割と本気だったんだって気づく 今日を損して 明日も損する そんな冷酷無情な輪廻が いつも絡んで いつも絡んで くる 君はそこで歌う火を覚えて 君はそこで歌に怯えた...

ツキのヨ

あなたに会えて しまう 慵(ものうい)街が 沈む 曙光(しょこう)の中に 浮かび 夢の扉を 開ける ヂャズの流れる 喫茶店 まるで、空っぽの映画…感 円く広がる ヒカリ ここが「ツキ」だと 気付く 浮かぶ軀に 実(み)を委ねて また漂って また暮れるのかい…?...

Comments


bottom of page