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[詩]マールボック


 朝の目覚めは 耳から始まる

 窓際のベッド びしょびしょのシーツ

 溺れかけたスマートホンが 私に告げる

 「地下鉄は止まらない」

 

 いつものバッグに、喚く風雨(ふうう)を押し込まれ

 一層重たくなった身体を引き摺って トボトボトボトボ溺れれば

 お金がもらえるユートピア

 

 お昼を告げるチャイムが鳴るころ

 やむのか、やまぬのか・・・やみかけの

 さすか、ささぬか・・・狭い歩道は、

 気取った鳩が堂々ふさぐ

 

 あぁ まだ渇かない靴と、靴下と、ズボンと・・・

 意地悪な空模様。 冷たい風じゃ、乾かない

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